独自形状は専用の機械で
シートカット中
メンテ後
メンテ前
 金色が当社製作品
シートの打ち換え
交換後
    交換前
クラックが確認できます
バックラッシュの調整
ドカティのデスモ機構
磨耗したロッカーアーム
定盤上で曲がりを測定
エンジン特性に合わせたベストなタイミングに調整します
特殊なシムを使用し、より精密に調整します
同時にガイド加工
機械加工でシート内径を広大
加工後
加工前
シャーシで性能確認
同調はより精密なデジタル式ゲージで調整します
搭載位置はハンドリングにも影響します
整備済みフレームに搭載
リセス追加工
ピストン径の測定
メンテ後
メンテ前
突出し、スキッシュを調整
ヘッド容積を測定
ピストン容積を測定
 必要であれば追加工
通常のクラッチ
調整を終了
安易な変更は焼損の原因になるので精密に管理します
調整には特殊なシムを使用します
オイルポンプ、オイルパン、ACG、ウオータポンプはいずれも最近の高性能化に伴い小型化、低抵抗化が進んでおり、ぎりぎりの容量のものが採用されています。
以前は重要なチューニング項目でしたが、いずれもトラブルは重大な事故につながるため、最近は特別な場合を除きサービスマニュアル以上の加工はしておりません。より精密なクリアランスの管理、低フリクション化のみ実施しています。
■オイルポンプ、オイルパン、ACG、ウオータポンプ■
組み立てに必要なノックピンは位置あわせの精度向上と剛性確保のため、ノーマルから特殊なものへ交換します。ボルト類は必要に応じダイス加工、ヘリサート加工します。
■ノックピン、ボルト類■
メタルはオイルクリアランス調整のために数種類用意されています。必ず実測値からメタルを選定し、1/1000mm単位で実測し適正なクリアランスを管理します。ケースやロッド、クランクに刻印された数値は使用しません。クランクケースは生産時のバラツキが大きく、精密な調整が必要です。調整作業は専用の測定器具のみで行い、不正確なプラスチゲージ等は使用しません。
■メタルの選定■
シリンダーは磨耗、変形を点検し、必要に応じホーニングやボーリング、再メッキを施します。高さ、内径を測定し真円度、円筒度を確認、1/1000mm単位でピストンクリアランスを選定、管理します。
■シリンダー■
W.A.Tにはさまざまな相談が寄せられますが、やはり一番多いのが「オーバーホール」についてのご相談です。

W.A.Tでは単なるカーボン除去、ピストンリングの交換をオーバーホールとは呼びません。
走行や経年による劣化への処置はもちろん、メーカーでは生産技術上できなかった細部のモディファイや寸法管理、加工、調整を実施した上で補機類との同調を取り、コンプリートでパフォーマンスを向上させてゆく作業を「オーバーホール」と呼んでいます。
実施される工程は「ワークスマシン」の組み立て作業と全く同じ工程です。これは内燃機関の知識、理論はもちろん、豊富な経験と技術、機材、設備があってはじめて実現できるものです。
このような工程を経て、「W.A.Tでオーバーホール」された車両はエンジンをかけた瞬間からその違いがわかります。
このページでは、W.A.Tでのオーバーホール作業内容を概略で紹介しております。

ここですべてをお見せする事はできませんが、初めて目にする工程も多いと思います。実際の作業項目はさらに多く、とても紹介できる量ではございません。

このようにして完成されたエンジンにはシリアルナンバーが刻印され、当社にデータが保存されます。
■エンジンオーバーホール■

■クランクシャフト■
クランクシャフトは洗浄後、曲がり、ねじれ、クラック検査を行い、オイル穴の油膜保持加工とフリクション低下のピン研磨を実施した後、ダイナミックバランスを取ります。必要に応じて軽量加工やナイフエッジ加工も行いますが、いずれもクランクマスが低下するため最近ではあまり実施しておりません。
加工が終了したクランクは、オイルクリアランス管理のため寸法を1/1000mm単位で測定します。
■組み立てクランク(2サイクル)の場合■
組み立てクランクの場合、測定結果にもとずき打ち替えを行います。純正で部品が存在しない場合も同様です。 廻り止めの溶接はもちろん、芯だしは必要に応じて5/1000mmも可能です。
■コンロッド■
コンロッドは曲がり検査後、重量選定を行います。元の場所に組むのが基本ですが、1/1000mm単位で精密に測定しますのでこの限りではありません。分布荷重を測定し、全体のバランスを考えて組み合わせるピストンを決定します。分布荷重の測定はクランクバランスに必要です。重量合わせの研磨や鏡面加工は、表面の浸炭層を侵すので基本的に行いません。コンロッドボルトは特別なものを除き毎回交換します。締め付け後、確認のため伸びを測定します。
■クランクケース■
クランクケースは洗浄後、クラック、歪みを点検し今後脱落しそうなバリはあらかじめ除去します。無意味な鏡面加工はしませんが、必要に応じポンピングロス低減加工やオイルリターン加工を実施します。ケースの接合面に使用する液体パッキンは柔らかい特別なものを少量使用します。無意味な厚塗りはエンジン内部への侵入だけでなく、ケース歪みの原因にもなります。組み立てに時にはエンジン形式により様々な測定、調整を精密に行います。
■トランスミッション■
トランスミッションはドッグの磨耗、フォークの曲がりを点検し、シフトフィーリング向上のため、特殊なシムを使用して微調整します。シフトカムを加工し、ギア抜けを予防する事も可能です。
■ピストン■
ピストンは付着したカーボンを取り除き洗浄、リング溝の磨耗、クラック点検後、重量とサイズを測定します。シリンダー内径と選定しピストンクリアランスを1/1000mm単位で管理します。必要に応じてリセスの加工やコーティングを行います。リングは合口隙間、張力を測定し選定します。
■スキッシュクリアランス、圧縮比■
スキッシュクリアランスと圧縮比は実測値を基に計算し、気筒間のバラツキを修正します。必要であれば面研を行い、適切な圧縮比に調整し精密に管理します。
■クラッチ■
クラッチは特殊なシムを使って調整します。特に最近のバックトルクリミッターが装着された機種はリミッター起動トルクも調整できますので、好みのセッティングが可能です。
















■ピストンピン■
ピストンピンは冷間と温間のクリアランス差が非常に大きい部分です。磨耗を点検後、1/1000mm単位でクリアランスを管理します。
初期カジリの発生しやすい部分ですので、組み付け時に特殊な溶液を使用します。モリブデングリスは初期カジリ防止に非常に効果的ですが、一部金属を攻撃するうえオイルパンやクランク内部に沈殿、集積、固体化し剥落片がオイルラインを閉塞させたり、メタルを損傷させたりするのでほとんど使用しません。
■シリンダヘッド■
シリンダヘッドは特殊な洗剤でカーボンを除去後、歪み、容積を点検し、シートカットを実施します。シートカットは冷間で密着させても意味が無いので特殊な方法で行います。
またその形状はエアフローに優れる独自の形状にします。必要に応じポート加工、バルブガイド、シート交換を行います。
■バルブガイド、シート交換■
バルブガイド、シートは消耗品です。性能に重要な部分ですので磨耗がひどい場合は打ち替え交換します。純正で部品設定がない場合や、ビッグバルブ加工する場合は特殊な材料から削り出し、製作します。
■ポート加工■
最近のポートは非常に研究されており、不用意に加工すると性能低下を招きます。通常は段差修正と軽研磨にとどめますが、必要に応じビッグポート加工も行います。
ビッグポートはビッグキャブ、ビッグバルブ、ハイカム、ボアーアップ等とセットで効果を発揮します。ポート加工時のガイド切除はデメリットの方が多いので特別な場合を除き実施しません。
■バルブ■
バルブはカーボン除去後、磨耗を確認しフェースを研磨45°面を再生します。ステム外径を測定しガイドと併せてクリアランスを1/1000単位で管理します。理論値のみならず、実際の倒れも測定します。



■カムシャフト■
カムシャフトは磨耗、曲がりを点検しフリクション低下の特殊研磨、オイル穴の加工を行います。
ロッカーアーム式の場合はロッカーアームと併せて精密に選定します。
ギアトレインの場合、デッキ研磨と併せてバックラッシュを精密に管理、調整を行うことで、フリクションの低下を優先しセラシギアを取り外すことも可能です。
■タペット調整、バルブタイミング■
タペットとバルブタイミングは密接な関係があり、性能に影響するとても重要な項目です。タペットシムはより微調整が可能な特殊なものを使用します。
バルブタイミングはエンジンの特性に合わせ、より精密に調整、変更します。固定式のものでも調整可能です。

■エンジン搭載、調整■
完成したエンジンは応力をかけず適正な位置に精密搭載され、キャブレター同調、圧縮圧力測定、燃圧流量測定を経てシャーシにかけられ性能確認が行われます。納車前の最終確認は実走にて行います。

■シール類■
エンジン内で高温の潤滑油やブローバイににさらされているラバーパーツはこのように経年劣化します。
外見上問題なくても劣化した部品はトラブルの原因となります。
軽量なチタンコンロッド
冶具を使い分布荷重を精密に測定
スラストクリアランス管理も重要です
締め付けは角度法
伸びも測定します
小端側も寸法管理
チタンロッドには専用の組み立てオイルを使用
外径を測定
合口隙間測定
内径を測定
ホーニング後
ホーニング前
コンパクトなカセットミッションも同様
加工後
加工前
様々な種類のシムを使用します
洗浄し、組み立て前に必要な処置を実施
ベアリング類は純正と異なるものを使用
測定、調整する項目はエンジン形式により異なります
クリアランス実測
ステムサイズ測定
メンテ後
メンテ前
磨耗の進んだオイルポンプ
洗浄メンテナンスされたオイルパン廻り
不適切な冷却促進剤の使用により生成した結晶
高価なチタン製には品質が不十分な商品も存在します
左、高精度高剛性の特注
右、中空巻物のノーマル
外見では判らない亀裂が
熱により硬化したオイルシール左が新品
ドカティのステムシール
劣化したステムシール左が新品
オーバーホールでお悩みのオーナー様、諦める前に一度ご相談下さい。
■完成■
ピン径を測定
ピン研磨後
ピン研磨前
定盤の上で曲がり振れを点検
クランクも測定します
メインジャーナルも
全て測定、調整
左2枚中古、右2枚新品
コンロッドを規定トルクで締め付け正確な内径を測定
必要に応じ廻り止め溶接を実施
定盤上で芯だしの確認
プレスで圧入。必要に応じ冶具を製作します
分解し,部品を交換