■週間日記「今週のW.A.T」■

まさかここまで時間かかるとは思ってなかった、My釣り船。
先週に船体の塗装も終わり、あとは艤装やエンジン整備。
船体同様に機器類も劣化してるので、同時にリフレッシュ。
今なら1時間で済む作業も、浮かべた後からだと1日仕事。
自分で船やってて、ウチが仕事に困らん理由が分かるわ。
俺、手抜かんもんな。未来まで見て先回りしてキチンとやる。
ウチ、高いけど格安や。そりゃ「分かる」人は離れんって。
「ソコ」が見えてる聡明な人は、順番待ってでもウチに出す。
左写真: アルミでトンラサムプレートを製作して取り付け。
座面の補強ね。ここまでやってる和船は見たことないケド。
右写真: 海船の宿命、水周りの掃除と整備。
毎回清水でフラッシングしてても、必ず水路結晶ができてる。
左写真: 消耗したエンジン内部アノードの交換。
犠牲亜鉛。先に電蝕することでアルミのエンジン本体を守る。
右写真: 船外機降ろす度に、必ずインペラの交換。
壊れる前に定期交換。割れて破片が詰まってからでは遅い。
左、右写真: 航海灯ポールを、規定に合わせてやり直し。
実船から外した、中古の既製品を船具屋から買ったのだが。
知床の事故以降、厳しくなったJCIが「規定に満たない」と。
泣く泣く言われた条件で作り直したら、えらい長くなったぜ?
左、右写真: 航海灯を取り付ける「ツノ」をFRP補強。
航海灯ポールがえらい長くなって、取り付け強度に不安が。
係留中も常に揺れるので、取れたらお高い航海灯が水没。
ツノをFRPで巻いて、取れないように座面を補強しておく。
「そんだけ船に注力してて、よく飯食えるよね?」
「俺」を知る常連さん以外、全ての人が口にする言葉。
秘密を教えてあげよう。おいちゃん、魚も米も困らんのだ。
「おんの!?」と毎年、突然に登場するF原社長。
3時間の道のりを、毎年新米を持ってきてくれるんです。
今年お米高いし、辞退するも「ええから!食べて!」
メッチャ恐縮だが、これでウチの台所は11月も安泰だ。
社長の米ウマイのよ。腹一杯食える幸せ。托鉢W.A.T。
左、右写真: 白灯と両色灯を取り付け。
配線も規定があって、個別に回路を設定しないといけない。
1回路で灯火全滅したら、夜の海では真っ黒で危険因子に。
2回路だったら、どちらか切れても無灯火にはならんもんな。
結局2ヶ月半かかったわ。あとは臨検受けたら出航できる。
しかしJCIが予約いっぱいで、11月まで検査受けれんって。
10月が最盛期の夜イカ釣りたくて、航海灯付けたのにw
でも俺の「シゴト」はこうでなくちゃ。自分のもお客のも同じ。
納期は完成したとき。妥協してやるくらいなら外注に出す。
因みに総工数37人工+材料等で15万。新艇買えてた計算。
更に、どうせシャフト船に乗り換えるのに恒久修理。
自分でアホやなぁと思うが、だからウチにお客が付くんだな。
理由?彼は俺を信じて、半日かけて怪しい焼鳥屋に持って来たからさ。汗には汗で返す。
電話やメールとは俺も対応違うでな。決して、同乗してた彼女がタイプだったからではない。
そんなW.A.Tだが、実は作業の問い合わせがメッチャ多い。
皆さん相見積目的で、電話や写真で見積を求めるわけだが。
口頭や写真では、ダメージの範囲すら判断できないわけよ。
当然、溶接性や治具や機械加工の要否も工数も分からん。
で、記憶にある過去最高額を伝える→音信不通のパターン。
例えばこれだと「2cmくらいの凹+オイル漏れ」という表現。
破口してないし、表から盛れば実車状態でも楽勝の印象?
ふふふ。外観では分からない、実際のダメージ範囲は・・
これだよ。ちゃんと直すなら、こんだけやり直す必要がある。
因みに、アーク飛ばせば潜在クラックがまだまだ広がる。
右にエンジン番号、左に機械加工面、断面にトーチ入らん。
聞いてた話とは違う。これを実車で直すのはリスク高い。
「お客さん!聞いてた話と違うから、言った金額では無理」
もしくは「聞いてた部分だけササッと直して、後はスルー」
と、なったら困るでしょ?だから最高額言う→高い言われる。
でも今回は、関係なくお客さんのご予算で直させてもらう。
更に言うと、普段なら実車じゃ受けない大サービスだわさ。