■週間日記「今週のW.A.T」■
レーシングチームからご依頼いただいたヘッド加工。
シリンダヘッドのヘッドポーティングです。
一般には「大きく削って磨いてピッカピカ」が好まれる。
ガイド周辺も削り飛ばすほうが、訴求力も強いようで。
が、ポートは水道管とは違う。抵抗だけで語れない。
「太く削ると必ず良くなる」なら最初から太く設計します。
ガイド根元に肉不要なら、簡素な型で最初から省く。
そこを理解して削らないと、むしろ性能は低下します。
左写真: ウチは「削る」どころか「盛る」という・・
凸は削れても、凹で足りない部分は溶接盛りしかない。
右写真: ガイドには乾膜をコートして打ち込み。
摩擦係数を落とすことで、応力も馴染みも大幅改善。
左写真: 電気釜でガイドの座りをヒートサイクル処理。
ガイド打ち換え後にアタリが変わる原因と対策はこれ。
ガイド交換後のシートカット前には必ず必要な作業。
右写真: ガイドが落ち着いたらシートカット。
左、右写真: 排気側の加工前と加工後。
「ガイド根元が太いまま。抵抗やん。削らんのか?」
円筒圧入の均衡崩すと、押されてガイドが傾くんです。
特に排気側はバルブの熱退けも悪くなるし、逆効果。
一般的に語られるポーティング手法とは異なる当社。
内燃機のポートは弁の開閉で空気が脈動している。
この脈動波を有効利用するのが優れたポート設計。
ポートをただ太くすると、脈動が狙いから外れてしまう。
おまけに膨張減速して、タンブル流もあやふやに。
ちゅうかバルブシート小さいままだと太くする意味なし。
そんな当社の加工、鋳肌残りも手抜きではありません
そこは「削れないが盛るまでもない」部分なんです。
「廃れ行く技術」とかディスりながらも結構依頼が多い。
オイル交換でふらりと立ち寄った常連さんのバイク。
追加作業のご相談に、「皆さん昨年から並んでるから無理」
彼、無言で工場の棚をゴソゴソ、手には見覚えのある部品。
「社長!僕、これ預けてもう2年も待ってるんですケドッ!」
え?もうそんな経つっけ?(汗)
「オリンピックが先ですかぁ!?大阪万博が先ですかぁ!?」
今やります。スグやります。光の速さでやります。
と、いうわけで皆様、決して順番飛ばしではございません。
ちゅうかウチの客って、この時期でもタイヤ端ないやんけ。