■週間日記「今週のW.A.T」■
オーナー様からご依頼いただいた、FCRのO/H。
もはや「キャブ」が死語になった令和の時代。
昔は環境規制への対応で嫌々のINJ化でしたが。
今や燃焼管理・高出力化にもINJは必須。
A/Fが同じでも、霧化や気化冷却で出力変わる。
DR気にせず大径ボアのスロボが採用できるしね。
キャブの良いところといえば、壊れないことくらい?
でもFCRはINJより寿命短いんだな、これが。
左、右写真: こりゃまた珍しいバイクだね。
ドライカーボンのエアボックス。当時のワークスマシン。
ドコで買った?ウチに入庫するのは2台目だけど(笑)
このファンネルがカジるのよ。手間でも温めてから回す。
左写真: メインジェット根元割れてるやん。
前作業者さん、締めすぎ。これは調子悪かっただろうね。
右写真: ご依頼の発端、燃料漏れの原因。
連結キャブのお約束、デリバリーパイプのOリング劣化。
左写真: スロットルシャフトに錆と磨耗が。
でも大丈夫。なぜかウチに在庫があるんだな、これが。
右写真: 知る人ぞ知るレース部品「メッキバルブ」
浮動シールと同時に、バルブ車の樹脂ホイールも交換。
左写真: 完全に過去の技術、「油面調整」
FCRは傾斜15度で調整。知ってる人と会ったことない。
右写真: FCR不調の隠れ要素、ダイヤフラム硬化。
加速ポンプの吐出が狂って、針セッティングが泥沼に。
左写真: J/N蓋も対策品のHEX頭へ交換。
−頭だとナメるんよ。強く締めるからダメなんだけど
右写真: 完成。ピカピカになりました。
在庫部品は全部サービス交換。もう使う機会ないしね。
後日、実車をお持込いただき同調とスローを調整。
久しぶりの感覚。この当時はクランクマスがメッチャ軽い。
トラクションよりも駆動力UP的な考え?
パワーもトルクもバンクも今より少なかったからねぇ。
この音。この匂い。TT-F1時代知る老害メカには堪らん。
加速ポンプからの液体で、どこからでもエンジン回す。
燃えたいヤツだけ燃えろ、残りは排気から捨てる的な。
翌日も工場メッチャ臭い。そりゃキャブ淘汰されるわ。
ほんで常連グッティの「青春ロック」ホンダVFR400。
ガキの頃に買い、上場企業の課長になっても大切保管。
また乗るんだって。散々金かけたGSF1200じゃダメらしい。
グッティ曰く、「ドイツから帰国時に頼んで3年も待った!」
グッティの作業はねぇ、腰が重いんだわ。
要求レベルが上場企業の製造本部品証カチョーなんだ。
このヒトは「分かりすぎ」。文句言う目がイッちゃってるよ。
振動試験ベースで配線のカシメ語ったりするからねぇ。
知らんがな。そこの文句は作ったホンダに言ってくれ。
やっぱFCRは最高!
ほんで、前にもチラッと書いた、フッ素グリースね。
これ1本で3万円。でもキャブはこれじゃないとダメ。
他のグリスだと、ガソリンの気配で溶解しちゃうのよ。
ウチは仕事の相見積で「他店より高い」と言われる。
でもさ、比較してるお店が同じコトやればどうなる?
正解は「できない」ね。油面調整の角度聞いてごらん。
どんなグリース使ってるか聞いてごらん。
説明せんウチも悪いけど、説明しようとも思わない。
「分かってる」方の仕事させていただけたら充分だから。