■週間日記「今週のW.A.T」■


業者様からご依頼いただいた、折れ込みスタッド抜き。
絶版旧車、RZ250のシリンダスタッドが折れ込み。
スタッドの抜き取りは、ボルトよりも難しいことが多い。
スタッドはネジ径が太くて、噛合いがキツい設計なのだ。
しかも今回はノック穴兼用で、ネジの底も始まりも深い。
そして一番の問題、スタッド根周辺が肉抜きで薄いこと。
無理に回すと、ケース側が割れて悲しいことになるのだ。
ハイリスク。普通は断るこのパターン。請ける理由は・・
左、右写真: 入庫時はノックも固着してました。
ノックは楽勝で抜いたが、このスタッドは手強いぜぇ。
「どうやって抜くの?」と、よく聞かれるが、答えはない。
ちゅうか抜くことより、抜き取り後のネジ山が難しいのだ。
左、右写真: 難しいコトはサラッと流すのがカッコ良い。
このとおり、ケースの塗装も焼かず、綺麗に抜きました。
苦戦の痕跡を残さないから、簡単そうに思われるが。
丸々1週間の泥仕合。普通の人はメンタル続かんと思う。
写真: このとおりネジ山もノック穴もダメージ無し。
今回はさすがに少し時間かかったけど、苦労は語らない。
折れ込み抜きに、痛快な快進撃なんかあるわけなくて。
作業中はイライラMAX。トラブルになるから電話も出ない。
うるせぇ黙れバーカ死ね!とか瞬時にキレれる極限状態。
そこから、抜けた時の安堵と満足感。溢れるドーパミン。
指の先まで幸福と感動が行き渡る。世界が輝くもんな。
この脳汁が欲しくて請ける。抜き取りジャンキー渡辺。
とか書くと頭ヤベェ奴だと思われるが、手元は結構精密。
行き当たりではなく、逆算思考で組んだ工程をトレース。
今回だと、焼き付くとケース割るのでまず潤滑を確保。
だがネジ隙間の狭いスタッドは、液が奥まで染みない。
そこで、真空装置でネジ奥まで減圧して液を吸わせる。
見てるのは「抜けるかな?」ではなく「抜いた後」の品質。
ソコに向けて、丁寧に丁寧に条件改善して抜くわけよ。
「液?油じゃないの?」ふふふ。おいちゃんの秘密汁な。
そして行ってきましたよ、皆と小浜まで原付ツーリング。
前夜に「スーパー大火勢」というイベントがあったらしく。
高さ20mの巨大な松明を灯す、お祭りイベントらしい。
駐車場2000円〜4000円、観覧席1000円〜3000円。
このワンナイト祭に、例年3万人も来るんだって。(驚)
8耐って3日間で6万人やっけ?焚き火に負けとるがな。
焚き火はエンタメ。企画・構成どおりにショーが進む。
8耐は暑いし、彼女や家族と一緒に楽しめんもんな。
折れ込み抜き、全戦全勝更新中
折れ込んだら、何もせずに送ってね
とか思いながら、小浜の「こだま食堂」でわらじカツ丼。
常連ダキチのリクエストに、先導さんが応えた企画。
今回は70cc〜250ccまで5台で合計排気量720cc。
SS1台にも満たない排気量だが、十分楽しいもんな。
結局のところ、ツーリングの要は企画・構成なんよね。
全体をマネジメントする人がいて、1日がカタチになる。
だがしかし。おいちゃん実はソースカツ丼好きじゃない。
しかもこんなデカいカツ2枚も。ソースだけで食えるかっ!