■週間日記「今週のW.A.T」■


業者様からご依頼いただいた、Z系ヘッドの再修正。
「溶接痕から盛大にオイル漏れ、何とか直せんか?」と。
デッキとカバーの合わせ目に、広範囲の大きな隙間が。
前作業者の溶接歪みだが、普通にやれば当然こうなる。
「ダイキャストは溶接修理不可能」とされる理由のひとつ。
先週述べた、「成功例より失敗例が多い」の典型例だが。
ダイキャストは難しい。ここまで溶接しただけでも立派。
でも漏れるのは具合悪いので、外観含めて再修正です。
左写真: 前作業者は、クラック上のみを上盛り溶接。
否定しているわけじゃないよ、それが世間で普通の溶接。
右写真: でもおいちゃんは潜在クラックまで充填溶接。
広い潜在範囲まで再溶接して、更に歪も戻して恒久修正。
左、右写真: 難しい作業はサラッと流すのがカッコ良い。
デッキ歪を戻し、フランケンだった外観まで綺麗に復元。
もちろんパテなど一切使わず、全部アルミでの恒久修正。
この再溶接や、溶接歪戻し作業は結構たいへんなんだぜ。
左写真: 作業後の内側、ビード痕も残さず再修正。
上盛り溶接ではなく、充填溶接だから外観研磨が可能。
右写真: サービス塗装して完成。これでバッチリです。
塗装が新しいが、一雨走れば色ツヤも消えるでしょう。
何度も言うが、普通は歪む。だから皆さん上盛り溶接する。
上に盛って蓋する上盛り溶接は、歪やブローが楽なのよ。
上に盛るだけで精一杯。ダイキャスト溶接ってそういうモン。
だから中に断層残るし、普通はビード削って研磨できない。
けどおいちゃんは、歪ませずに芯まで充填溶接して直す。
機械的な精度はもちろん、外観まで復元することが可能。
今回なんか、過去の溶接歪まで戻してこの外観だからね。
そこまでやる必要あるのかは知らんが。趣味のW.A.T。
アナタは「溶接では直せない」と思う派?「直せる」と思う派?
ドッチにしてもウチの修正は最終手段、最後にご相談ください