■週間日記「今週のW.A.T」■
オーナー様からご依頼いただいたRC30のエンジンO/H。
セミリタイヤしたおいちゃん、実は大洗浄台を廃棄してて。
その心は、「もうエンジンO/Hやらない」と思ってたから。
全バラ整備とか分解修正は受けるが、O/Hは別なんだ。
エンジンO/Hは、時間も精神もすごく消耗して欝になる。
ところがRC30の廃盤部品再販で、真剣なご相談が重なり。
やりますか、と大洗浄台をまた買うところから始まった。
写真: RC30のO/H用に、慌てて買った大洗浄台中古。
左、右写真: クランクの内部汚れを特殊な溶剤で排出。
ピン内部は遠心力分離で、超微細なコンタミが堆積する。
バランシング前に、ココの重量を排出するのは当然です。
バランスも狂うし、剥離して油路塞いだらエンジン焼ける。
左、右写真: クランクピンの研磨も再販メタルで可能に。
クランクの面粗度UPは、潤滑にも摩擦にも効く魔法だが。
削ることしかできないので、研磨量はクリアランス次第。
ピン研磨は、メタルのご機嫌伺いながらの顔色作業っす。
左写真: 廃盤のミッションギアは程度良い中古を入手。
フォーク類は再販あり。特殊なシムでドッグ勘合を調整。
右写真: ピストン、メタル類は再販新品に交換。
再販ピストン4個で20万円だが、助かった人も多いと思う。
左、右写真: IN/EXバルブも再販でヘッドメンテ可能に。
30の持病、バルブフェース磨耗が新品交換で一発解決。
でもシートカット量は最小限が、ウチのスタイル。
因みに吸気バルブは既に売り切れ終了。短い夢だったぜ。
左写真: バルブスプリングも再販品に交換。
国内カムだと経たらんのだが、オーナー様のご希望で交換。
右写真: でもリテーナー交換は断固拒否。
コッターが馴染んで落ち着いたセット長が、管理不能になる。
左写真: 毎回アホやなぁと思う、オイルポンプチェーン。
切れたの見たことないが、心配でつい新品にしてしまう・・
右写真: 分解時は調整必須のエアギャップ。
ロータースプラインが緩くて、結構振れちゃうので調整必須。
左写真: バルブ交換後に待つ地獄タイム、シム調整。
経験者ならご存知、30はとにかくメッチャ面倒なのよねぇ。
レース時代の小刻みなワークスシムが、更に手間増やす。
右写真: 傷んだ塗装をタッチアップして、エンジン完成。
皆さんに「HP展開して」と言われるRC30のO/H
昭和の能書き語るは老害だから、ダイジェストで
皆さん、新品部品を袋から出して組んで「O/H」と呼ぶ。
ピストン重量合わせて「スペシャルエンジン」だと言う。
だがエンジンってね、そんなありきたりでは性能出ない。
例えばピストン交換時は、重さより高さの管理が優先。
ピストン高、ヘッド容積、ロッド長、デッキ高で勘案管理。
そしてV4は、クランクバランス時に初めてピストン重量。
だから、高さでピストン配置決めてからクランクバランス。
それも、まずはロッド選定でできるだけ均すのがポイント。
ギアトレインのRC30は、面研でSQやV調整ができない。
(バックラッシュが広くて、面研できる個体もあるけど)
面研して、カムホルダー座をシム調整する手もあるが。
それやると、リフター芯とバルブ芯が狂うことになる。
直押し用の短いガイド斜め押しは、ガイド磨耗の元。
性能が長持ちしないチューンは、デ・チューンなんだよ。
ピストン重さ気にしても、小端重さ気にせんのも同様。
またこれが30はチタンロッドでさと、能書きは尽きん。
エンジン組むのが辛くなった。歳とったなぁ、と思う。